ここでは、頭痛の種類の中で、一次性頭痛(慢性頭痛)に分類される「緊張型頭痛」と「片頭痛(偏頭痛)」と「群発頭痛」、そして二次性頭痛について解説します。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、過度のストレスや緊張、猫背などの良くない姿勢、同じ姿勢を長時間続けることが多いデスクワーク、運動不足などが原因となって起こる頭痛です。頭部を金属製の輪っかなどでギリギリと締め付けられているかのような圧力を伴う痛みが継続するのが特徴です。

肩こりや首のこりと併発することが多く、痛んでいる箇所を温めたりマッサージをすることで痛みが緩和することもあります。性別年齢を問わず発症する頭痛であり、たまに起こるものを「反復性緊張型頭痛」、ほぼ毎日のように起こるものを「慢性緊張型頭痛」と呼びます。

緊張型頭痛の予防には、ストレッチやウォーキングなどの適度な運動や、ストレスを上手に発散し、できるだけ溜め込まないことがあります。猫背などの姿勢を改善することも重要なポイントとなります。

片頭痛(偏頭痛)

片頭痛(偏頭痛)とは、名前から想像できるように、頭部の片側のこめかみ付近に「ズキズキ」とした痛みが生じるのが特徴となっています。片側だけでなく両側のこめかみの辺りが痛むケースもあります。頭痛と同時に吐き気や嘔吐の症状が現れることも多いようです。

人によっては片頭痛(偏頭痛)の起こる前触れとして、視界にカメラのフラッシュに似た光が生じたり、視界の端や中心がぼやけてしまう「閃輝暗点(せんきあんてん)」が現れることがあります。

片頭痛(偏頭痛)の間は、痛みのあるこめかみ付近に冷やしたハンカチやタオルをあてて、できるだけ静かな場所で横になることが推奨されています。

片頭痛(偏頭痛)の原因には、ストレスや女性の生理周期、睡眠不足や寝すぎ、アルコールやチョコレートなどの特定の食べ物、香水などの香り、空腹や人混み、LEDなどの照明や強い太陽光、寒暖差や騒音などがあります。そのため、片頭痛(偏頭痛)の原因となるものを、各々が把握することが、対処のための第一歩となります。

群発頭痛

群発頭痛は、男性に多く現れる頭痛です。一定の期間、片側の目の奥の方から激しい痛みが、毎日ほぼ同じ時間帯に起こるのが特徴です。季節の変わり目などに1ヶ月から2ヶ月ほど継続して発症し、「群発期」と呼ばれる頭痛の期間が終わることで治まります。

飲酒や喫煙、急激な気圧の変化などで起こりやすい傾向があります。治療には、病院での薬物療法もしくは純酸素吸入法が採用されています。

二次性頭痛

脳の病気が原因となって起こる頭痛です。脳梗塞や脳腫瘍、クモ膜下出血や脳腫瘍など、生命の危険性のある病気の症状でもあります。医師からの適切な治療が必要となります。

起立性調節障害

小学校高学年から中学生の年代にかけて発生しやすい、自律神経機能が正常に作用しなくなるものです。不登校や引きこもりの要因のひとつと言われています。

起立性調節障害の症状には、朝に起きられなかったり、夜になかなか寝らなかったり、立ちくらみや食欲不振、動悸や頭痛、集中力の低下があります。特に頭痛に関しては、起立性調節障害による頭痛と片頭痛(偏頭痛)と緊張性頭痛の3種類が混ざり合っているため、診断や処方の難しさがあるようです。